カラダづくりを始めるまで

家族の病気と母の影響で、看護師に

看護師になったのは、祖母の最期を目の当たりにし、悔いが残ったことがきっかけ。母が看護師として働いていたこともあり、私にとって身近な職業でした。

無事に看護師となり、大学病院に就職。しかし、いざ働き始めてみたら、あまりにも過酷な環境で働く先輩の姿に愕然としました。

休憩室で、いつも仕事に一生懸命だった同僚が「足が痛い~」と笑いながら、パンパンにむくんだ足をさする姿を見て、「ああ、私はこういう人を助ける仕事をしたいんだ」そう思うようになりました。

自宅の一室から、想いがカタチに

いつも頑張っている看護師仲間を癒したい!
そんな想いから、香りで癒されながら免疫力を上げられる「アロマリンパマッサージ」を学びました。

自宅の一室で、まずはナース仲間に。そして、子育てと仕事を頑張るお母さん達に。アロマの香りでリラックスしながら、滞りやすいリンパを流すマッサージ。思い描いていたことが、形になって嬉しかったですね。

当時は、「小さな子供を持つお母さんがエステなんて!」という下町の古い価値観が、まだまだ当たり前。普段は化粧をほとんどしないようなお母さんが、施術後の自分の変化にビックリして、笑顔で帰る姿を見送るのが、とにかく楽しみでした。

しかし、施術直後に良くなっても、少し経つとまた以前と同じ状態で戻ってくる。それが、とても残念でした。

私がしていたリンパマッサージは、どうしてもその場しのぎ。一時的なケアだけでは、調子の良い状態を維持するのは難しく、限界を感じ始めました。

香りのチカラとストレス

エステサロンでは、お客様の状態や症状に合わせた精油を4~5種類ブレンドし、マッサージに取り入れていました。しかし、正直なところ、効果に疑問がありました。

そんなある時、 調香師の辻先生との出会い。
先生は、天然香料を用いた香りで、病気を改善することができたのです。普通に考えたら、信じられないですよね。けど、難病や奇病などストレスによる症状が良くなる姿を、実際に目の前で何人も見たのです。

嗅覚は五感の中で、唯一脳に直接作用する感覚。
香りを通して、植物が脳に変化を起こす。こんな感動はありませんでした。

先生に弟子入りし、「調香」を習い始めました。調香とは、20種類以上の天然香料をブレンドし、香りを組み立てる技術。実際やってみると、本当に面白く、すっかり調香の虜に。

調香を学んでいくうちに、数ある植物の香料をひとつひとつ嗅いだ時の反応によって、ストレスの種類や深さがわかることを知りました。その方法で友人が抱えていたストレスの深さを知った時、体だけでなく、心のケアも大切ということに、改めて気づかされました。

入院・手術の暮らしへの影響

2015年、私自身の手術と入院をしました。

みなさん経験があると思いますが、仕事で慌ただしくなると、自分のことは二の次。生活に支障がなければ、忙しいを言い訳にして、病院なんて行かないです。

ですが、その時の入院と手術は、「本当にそれでいいのかな?」と、改めて考えさせられるきっかけになりました。もっと早い段階でケアしていたら。おかしいと思った時点で、すぐに病院に行っていたら。手術には至らなかったかもしれない。

お客様のからだをケアする仕事をしながら、こういう状況に陥ってしまったことに、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、心から反省しました。

その時の経験が、入院や手術の辛さや体力の落ち方、家族に迷惑をかける後ろめたさや、待っていてくれるお客様への影響など、大きな病気をしたお客様の気持ちが、それまで以上にわかるようになりました。

年齢と共に変化する体力

ケトルベルという器具を使ったスポーツに触れる機会があり、体験したところ、今まで経験したことない感覚にハマって、それから継続してトレーニングをするようになりました。

ダンベルのように重さで負荷をかけるのですが、最初は4kgしか使えなかったのが、6kg、8kgと少しずつ重いものを扱えるようになったり、10回しかできなかったことが、30回、50回とできるようになったり、重さや回数で自分の成長が目に見えてわかるのが面白く、どんどんのめり込んでいきました。

しかし、30代の頃と同じようにできる気がして、少し頑張ったら疲れが取れなくて、数日間辛かったり、怪我をしてしまったり。年齢を重ねると、若い時にできたことができなくなるのを身をもって体感しました。

運動を取り入れたケアへ

以前のプリュムは、リンパマッサージを主体としたエステサロンでした。
いかに身体をほぐして、リラックスしてもらえるか。それが大切。つまり、施術者である私が主体で、お客様は完全に受け身なんですね。

たくさんのお客様の体に触れていると、冷えて固くなっている人があまりにも多いことに気づきました。

身体の冷えは、血行不良が原因。
肩こりやむくみなど、女性が抱えるよくある悩みの症状が出てきます。お客様の症状を少しでも改善しようと、必死に施術していました。しかし、マッサージは血液の流れを整えてくれますが、それは一時的なもの。

そもそも、なぜ冷えているのか?なぜ身体が温まらないのか?温かな身体に変えるにはどうしたらいいか?と考えました。
答えは、運動で筋肉を育てること。

身体の熱の発生源は、筋肉だからです。

来店されるお客様は、運動不足の方がほとんど。さらに、同じ姿勢が長いからか、いつも同じ部分しか使ってないように感じられたのです。そして、このまま年齢を重ねたお客様の未来の姿を想像したら、ちょっと心配になりました。

どんなに体力や筋力に自信がなくても、運動経験がなくても、きちんと考えられた運動をすれば、確実に変化します。弱かった筋肉に、徐々にパワーがついてきたと実感できた時、「私のカラダ、まだ変われるんだ」って、とても大きな自信に繋がります。

今を知る。そして向き合う。

大人の生活習慣は、個人差が大きいです。

いろんな方がいるからこそ、1対1でじっくり話を聞いて、置かれた環境やどんな生活を送っているのか。そこから知る必要があるのです。

だからこそ、あなたと向き合いたいです。

自分自身と改めて向き合うと、今まで気がつかなかったことが見えてきます。
そこからがスタート。

カラダは、手をかけると必ず返してくれます。
何歳になっても、変化します。

「このカラダと丁寧に生きて行こう」

そう思える人が増えたらいいな。
こんなことを考えながら、日々お客様の『カラダづくり』と向き合っています。